ふたり:/3 出会いはネット 求婚もOKもメール /栃木

 ◇ポルトガル語に興味/東洋文化に関心
 「妻になってくれませんか」。「はい、私もあなたの奥さんになりたいです」。プロポーズとOKの返事は、太平洋を隔てて交わした、ポルトガル語のメールでだった。
 宇都宮市に住む斉藤靖さんは03年1月、ブラジルに渡り、20歳のパトリシア・フラシ・デ・ソウザさんと結婚した。出会いは、インターネットだった。
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 現在34歳の靖さんの職場は、製麺(せいめん)工場。同僚にブラジル人など外国人が多く、外国語に興味を持った。00年の夏、自宅のパソコンからポルトガル語のサイトにアクセスした。
 「日本語を教えて」。オリエント、東洋文化に興味を持つ、当時高校生のパトリシアさんの掲示板が目に留まった。靖さんは、ポルトガル語の辞書を片手に「僕にも言葉を教えてください」と書き込んだ。「文法がめちゃくちゃで、何を書いているか分からなかった」。現在26歳のパトリシアさんは懐かしそうに笑う。
 二人は毎日メールを交わし、手紙や写真を送り合った。互いに国際電話を掛け、童謡などを歌い合った。電話越しに届くパトリシアさんの可愛らしい声。靖さんは次第に会いたい思いを抑えられなくなった。
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 4カ月後の12月、2連休さえもらえない工場に10日間の休暇を申請。「クビでもいいなら行け」。「構いません」。社長の言葉をはねつけた。
 1月のブラジルは、灼熱(しゃくねつ)の太陽が降り注いでいた。一家に迎えられ、食卓にはタラとトマトの煮込み料理「モケッカ」が並べられた。恥ずかしさでお互い、なかなか目を合わせられなかったが、うち解けるのは早かった。2日目には真っ青に輝く海水浴場のほとりで、二人はキスを交わした。
 帰国後も2年間、互いにメールを絶やすことはなかった。プロポーズに、パトリシアさんは1週間悩んだ。遠い異国でやっていけるか。けれど、誰とも分け隔てなく接する靖さんの人柄に、結婚を決意した。
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 03年2月、パトリシアさんは来日。しかし現実は厳しかった。靖さんとの会話はポルトガル語だったが、日本語は不得手で、友人もできなかった。頼りの靖さんは夜勤、日勤と多忙で不規則な生活。家事だけで誰とも話さない日々。部屋には連日、パトシリアさんのすすり泣きが響いた。
 1年半後、転機が訪れた。オリエント文化への興味から、ブラジル時代にベリーダンスを習っていたパトリシアさん。地域のイベントで踊ったところ好評で、教室を始めることに。日本語を猛勉強し、車の免許も取得。「(精神的に)強くなれた」とパトリシアさん。今では県内外の10教室で、200人の生徒を指導するまでになった。
 夫婦の会話は、今では日本語になった。パトリシアさんの不満の種は、靖さんの不規則な仕事。「土日休みの普通の夫婦生活をしたい」。「うーん、それはなかなか難しいよ」。苦笑いする靖さん。でも、互いに何でも言い合える関係が二人はうれしい。=つづく<題字は斉藤さん夫婦の自筆>

yahooニュースより引用
 
 

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